みなさん、こんばんは。
今日は、ニッケルカドミウム蓄電池(Ni-Cd)の長所・短所について書いてみようと思いま
す。
ニッケルカドミウム蓄電池(通称:ニカド電池)は、今から118年前の1899年にスウェーデ
ンの科学者「ワルデマール・ユングナー」によって発明されました。
以下に、ニッケルカドミウム蓄電池の構造をしめします。
(出典)工具のプロショップ神戸プラス工具株式会社
ニッケルカドミウム蓄電池は、正極にはオキシ水酸化ニッケルの板、負極にはカドミウムの板、そ
して、これらの電極を満たすようにして電解液である水酸化カリウムが入っています。また、両電
極の間には、ショートしないように絶縁物(セパレータ)がはさまれています。
この、ニッケルカドミウム蓄電池ですが、以下のような長所・短所があります。
※長所
- 内部抵抗が小さく、大電流放電が可能。
- 過放電状態で放置しても、充電により容量が回復する。
- 低温特性に優れ、低温時の電圧降下が少ない。
- 最大500回程度の充電に耐えられる頑丈さがある。
- 安定した放電が連続で出来る。
※短所
- 自己放電が大きい。
- メモリー効果(注1)が大きい。
- 有害物質のカドミウムが含まれている。
(注1)メモリー効果とは・・・
完全に使い切っていないニカド充電池、ニッケル水素充電池に、継ぎ足し充電を行うことで、その
継ぎ足しを始めた段階の電池容量を記憶する(メモリー)ことにより、そのあとで電池を使ってい
てそのメモリーされた容量のところまでくると、著しい電圧の降下が起きます。それにより、機器
側で従来必要な電圧がなくなったと判断し電池切れのランプが付いたり、電圧が足りないことで使
用できなくなったりします。しかし、電池自体の容量が本当になくなったわけではないので、リフ
レッシュさせることにより、本来の電池の性能を取り戻すことができます。
このような長所・短所を持つニッケルカドミウム蓄電池ですが、コードレス電話や、電動工具、
シェーバー、非常照明等に使われています。
※余談ですが、このニッケルカドミウム蓄電池を日本で商品化したのは三洋電機で、1963年の
ことでした。また、なじみのある呼び名では、「ニッカド電池」、「カドニカ電池」があります
が、どちらも三洋電機の登録商標で他社は使用できないため、通称「ニカド電池」と呼ばれていま
す。